超特急のボーカル、タカシ君は
本名の松尾太陽(まつお たかし)名義でソロ歌手としても活動しています。
ちょうど2年前、
2021年2月11日にリリースされた、
松尾太陽の「体温」。
寒い時期に聴くとじんわり心に沁みます。
縦画面のMV、是非スマホで見てください。
松尾太陽 「体温」 Music Video
3:31からのピアノのメロディと歌声の重なりが、ささやかな幸せを噛み締めるようで好き。
冬が似合う、しっとりしたスローバラードです。
反復進行のように同じメロディーが何度も出てきますが、
歌詞の内容は毎回違っており、また歌い方も変えることで物語を展開しています。
ぽつりぽつりと独り言を呟くような歌い始めから、
どんどん恋人への想いがあふれてくるストーリーがぐっときます。
ガラクタだった日々
という、自分を全否定するような歌詞に、心が苦しくなりますが、
そんな毎日を温かいものにしてくれた、恋人の体温。
それさえもいつか失ってしまうんじゃないかという、不安と幸せが入り混じったような歌詞。
超特急の時の彼は、キラキラしたフィクションの世界のアイドルなので、
こういうリアル感のあるラブバラードは歌わない。
松尾太陽になると、急に人間みのある現実の一人の男になるのが、
彼のソロ活動の面白いところです。
私、勝手な思い込みで、
この曲は太陽君が作詞したと思って聞いていたんですよねずっと。
結構リアリティを感じる恋愛の歌詞なので、
ああこういう歌詞を書くんだなあ、と意外に思っていたんですが、
クレジットを見たらOmoinotakeさんというグループの提供曲でした。
まあつまりただの私の勘違いなのですが、
太陽君が書いたと思い込んでしまうほど、しっかり歌いこなしているんですよ。
彼は切ない歌はあんまり似合わないと思っていたけど、
この「体温」はしっくりきます。
太陽君は、超特急の活動において
「2018年にボーカルが2人から自分1人になって、ずっと孤独や不安を抱えていた。逃げたいと何度も思った。」
と振り返っています。
(今は乗り越えて充実しているからこそ、口にできるのでしょう。)
この「体温」がリリースされたのが2021年の2月。
2020年くらいにレコーディングされていたとすると、
まだ太陽君が不安や孤独と闘っていた時期なのかなと。
だからこんなにも、痛々しく切なくこの曲を歌い上げることができたのかなと。
捨て猫が優しい飼い主に出逢えたような幸せ。
当時の太陽君だからこそ、この表現ができたのかもしれません。
今現在の太陽君が「体温」を歌ったら、
当時とは違う包容力や温かさ、強さを感じるのかも。
“ボーカルとしてずっと歌っていける曲“だと太陽君自身も言っているので
彼の環境や成長とともに変化していく曲なのだと思います。
年齢的にも、そろそろこういう恋愛の歌詞を書いてもいい気がするし、聞いてみたいのですが、難しいのかなぁ
「体温」は、こちらのアルバムに収録されています。↓