「TRAIN」は、2012年6月10日にリリースされた、超特急の記念すべきデビューシングルです。
一度聴いたら耳から離れない
Boon Boon タラッタッタッタ
という歌い出しと
Ride on ほらガッタンガッタン
というサビがキャッチー。
令和元年に超特急ファンになった私でも、「なんか聞いたことあるなあ・・」って思ったんで
リリース当時はTVなどでプロモーションされていたのかもしれません。
超特急だから、
デビュー曲は「TRAIN」ね!
っていう安直なタイトルが好き。
「グループ名になぞらえたデビュー曲!」というくらいだから、
彼らのアイコン的な楽曲として作られたのは明らか。
デビュー時はかなりかっこいい系だったんですね。
数年後に「バッタマン」や「超えてアバンチュール」といった超コミックソングを彼らがやるなんて、誰が想像したでしょうか・・。
デビュー曲から完成度高めの曲です。
こもった音からだんだんクリアになっていくイントロがもう凝ってるし、
メロディーもカッコよくて覚えやすく、
特徴であるツインボーカルも存分に活かされ、
起承転結のしっかりした編成も素晴らしいのですが
思いのほか暗い。
一切許さない 弱気なその態度は
一回でも リタイアしたなら 最後だ
全て投げ捨て走るMyTrain
もう後には戻れない
など、かなり重い覚悟の歌詞がズラズラ並びます。。
これアイドルのデビュー曲だよ。
10代半ばの少年が歌う曲だよ。
アイドルのデビュー曲って、もっとこう・・
爽やかだったり、希望にあふれていたり、
若者感があったりするもんじゃないでしょうか・・・偏見ですが。
超特急は大手事務所スターダストプロモーションが輩出する初の男性アイドルグループらしい。
「メインダンサー・バックボーカル」という斬新なスタイルなど、
既存の男性アイドルとは一線を画すつもりで敢えてこういうダークな路線にしたのかもしれません。
当時はK-POPなどちょっと大人っぽい路線が流行し始めた頃でしたしね。
「メインダンサー・バックボーカル」ってなんだ? という人のために説明しておくと、
ダンサー5人がフロントで踊り、ボーカル2人が後ろで淡々と歌うというスタイル。
当時のアイドルグループと言えば全員がマイクを持って歌って踊るというのが一般的でしたから、かなり異色。
デビュー時のイベントによっては、ボーカルは録音でダンサーのみが出演するということもあったらしいです。
たまにボーカルはパネルだったというのは今でもネタとして言われています。
後ろの二人がボーカル。バックすぎる。
TRAINのMVを見てると、何ならボーカルにライトすら当たってないシーンもあるから、ダンサーびいきが凄い。
そんだけダンサーメインのグループなのですが、ボーカルもきちんと力を入れて育成されています。
ボーカルはコーイチ君(最年長)と、タカシ君(最年少)。
茶髪のほうがコーイチ君です。
コーイチ君の歌声とビジュアルはこの時点でだいぶ確立されてますね。
歌う時の表情もどう見せるかをわかってる感じ。
サビ前の“突き進んでいく”の歌い方も、コーイチ君のコブシがガツンときいていて、
曲をギュッと引き締めています。
当時まだ17歳。
歌手として早熟だったんだなー。
ラスサビでボーカルラインが幾重にも重なっていろんな歌詞が聞こえるのはめっちゃ綺麗です。
ここだけでボーカルに力を入れてるグループってわかる。
そして、センターダンサーはユーキ君。(ジャケットで真ん中に写ってる人)
MVを見ると、もうこの頃からダンスがユーキ君節ですね。癖の付け方とか表情とか。
でもまだ幼なすぎて曲とミスマッチ…。
あと元も子もないけど青い衣装と曲が合ってない気がする。
「デビュー時はかっこいい路線で売っていたけど全然売れなかった・・・」とメンバーが語っていますが、
まだこの曲を表現できるほどの経験値がなかったんじゃないかな。
そりゃそうです、10代半ばの少年たちには重すぎるテーマです。
この曲はメッセージ性が強いので、スキルと経験を増した数年後の彼らのほうが、曲を表現できる気がします。
そのくらい覚悟と重みのある曲調と歌詞。
私は、2018年の「GOLDEN EPOCH」というLIVE でやった「TRAIN」が好きです。
もともと2人いたボーカルですが、2018年2月にコーイチ君が脱退し、「GOLDEN EPOCH」の時にはボーカルはタカシ君一人になっています。
TRAINはダブルボーカルの掛け合いが多い曲なので一人で歌うことはできません。
必然的にタカシ君は失った相方を感じずにはいられない。
そんなTRAINを敢えてやるところに、再スタートの決意を感じます。
この公演でTRAINを踊るユーキ君は、
俺が超特急を引っ張っていく!!!って感じがしてとても頼もしい。
目線がキッとキマっていて、迫力があり、覚悟を感じます。
2018年にしてようやくこの曲の重厚感が表現できるようになっている気がします。
この曲を踊るユーキ君が好きです。
熱い彼にぴったりの曲です。
デビューの覚悟。
再スタートの決意。
色々と重みのある曲ですね。
超特急の波乱万丈なヒストリーを見ていると、まるで予言のようなデビュー曲だと思ってしまいます。
最後に。
サビのラストの歌詞の
二人の人生を運ぶMyTrain の部分。
MyTrain=超特急 でいいと思うのですが
二人 ってのは誰と誰でしょうか。
私の解釈は、君(=リスナー)と僕 かな~と思ってます。
「君と僕ら」ではなく「君と僕」。二人だから。
僕自身も覚悟を持って超特急に乗った。
君も覚悟を持って乗ってね!とリスナーへ投げかけています。
(超特急は、ファン自身も超特急のメンバーであるというコンセプトです。)
まあでも超特急に乗るには「すべてを投げ捨て」、「もう後には戻れない」らしいです。
超特急、かなり体育会系。
そして、
そのちょうど8年後の 2020年6月10日にリリースされた「Stand up」では
君と僕なら間違いない
という歌詞を歌っています。
超特急に乗ったこの8年間、君も僕も いろいろあったけど、
あの時、乗ってよかった。
8年の時を経て、君と僕の関係が確固たるものに変わっています。
「TRAIN」は こちらに収録されています。↓
このBlu-rayにも収録されています。ボーカルの歌唱の重みが増してかっちょいい。↓